強制競売と任意競売に違いを説明します 1.本来の意味 本来の意味は、所有者の意思に基づいてなされる競売を任意競売、所有者の意思に基づかないでなされる競売を強制競売というのが基本です。 例えば民法497条にいうような競売が本来の任意競売で、民法568条にいう強制競売とは国家権力によって行われる競売の全てを指し、従って抵当権の実行としての競売も裁判所という国家権力を通して行われることからこの条文では強制競売に分類されます。 2.以前の使われ方 しかし、実務上は判決等のいわゆる債務名義によって、不動産に対する強制執行として実施される場合の競売を強制競売とし、私人間の契約によって設定した抵当権等の実行のために実施される競売は任意競売として認識されていました。 抵当権を実行する場合には、「不動産任意競売申立書」を裁判所に提出して行ったわけです。 3.現在 現在では、任意競売の用語は上記でご説明のあるとおり一応は「担保不動産競売」に変わっています。 また、競売から離れて任意に売却する「任意売却」と区別するためにも任意競売は余り使われなくなっているようです。 ご質問の「抵当権がついていて、債権者に売られてしまうのは任意競売なんですか?」は、その通りですが、あえて言えば以前の使われ方ということになりましょう。 抵当権は付けていないが、勝訴判決等を得て債務者の不動産を差押え競売に持ち込むのが強制競売ということになります。 |